スコークロステル城(Skoklosterslott)とシグチューナ(Sigtuna)を見物に行く。
どちらもストックホルムから北西の方向にあるのだが、 けっこう離れていて鉄道では直接繋がっていない。 しかも、城の見学は1時間ごとのツアーのみで、この時期は12時から15時まで、 Sigtunaの博物館は12時から16時まで、という制約がある。 ストックホルム交通局(SL)のWWWページでは、 出発駅と到着駅、希望する時間を入れると、 バス・地下鉄・郊外電車(Pendeltaag)を組み合わせた移動手段を出してくれる。 これを使って計画を立ててみたら、なんとか一日で回れそう。 郊外電車の終点Baalstaから出るバスの時間が、SLの区域外で判らないため、 予定通りに行くか少し不安ではあるが。
朝、Kistaから出るバスに乗り遅れて焦るが、 じつはBaalstaからのバスが2時間おきで、結果的には1本後で正解だった。
KistaからバスでSpaanga駅に向かい、
そこから郊外電車で終点のBaalstaへ(写真)。
BaalstaからはSkoklosterまで片道30分かけて往復するバスが出ており、
ちょうど11:00の便に乗り継ぐことができた。
Baalstaに着く前から周りはかなり田舎の風景だったが、
Skoklosterに向かう途中は草原や牧場で、
たまに農家が数軒と教会の小さな集落を通るていど。
季節外れなのでSkoklosterに向かう乗客もほとんどいない。
なお、ここまでの写真は後でBaalstaに戻るときに撮ったもの。
11:30にSkoklosterのバス停に到着。
教会の脇を通って少し歩くと城に着く。
城に到着後、12:10からのガイドツアーを申し込んでおいて、 しばらく城外を見物する。
城の片側は湖に面しており、反対側には大きな庭園がある。
あいにく寒い時期なので、湖には誰もおらず、庭園も殺風景。
城と言っても周りに堀などもなく、戦闘用ではなく居住用の城館だったようだ。
城の内部の、ガイドツアーなしで入れる区画にも、 ちょっとした展示部屋があって本や椅子、衣類などが置いてあった。 なお、城内、とくにガイドツアーの区画はかなり見ごたえがあったのだが、 撮影不可なので残念ながら写真はなし。
ツアーは他に申込者がなく、女性のガイドさんとマンツーマンに。 城内は絵画やタペストリ、武器コレクションなどの財宝が山ほどあった。 写真も撮れないのでまじめに説明を聞いていたが、 ガイドさんの解説はけっこうマニアックで、予想以上に面白かった。
ツアーは1時間たっぷりあった
(というか、ちょっと時間オーバーしたので、
次のツアー客が待っていると呼び出されていた)ので、
バスの時間まで15分ほどしかない。
ここのカフェでは昼食も食べられるのだが、
そんな暇はないので売店で(内部の写真が撮れなかったから)絵葉書などを買って、
バス停に向かう。
来たときと違う道を通って行くと、
教会の裏にルーン石碑が建っていた。
バス停をはさんで城と反対側には、Skokloster Moter-Museumという博物館がある。 車やオートバイ、エンジンなどのコレクションがあるらしく、 屋外に置いてある飛行機が見えている。 残念ながらこの時期は閉鎖されていて見られない。
博物館のわきの小さな丘に、石造りの小さな塔のようなものを発見。
見張り台かなにかだろうか。
試しに上がってみたが、塔と言うよりたんなる台で、
あまり見張りに適しているとも思えない。
13:25発のバスでBaalstaへ戻る。 そのままSigtuna行きのバスに乗り継ぎ、14:30ごろSigtunaに到着。
スウェーデンではもっとも古い町のひとつらしいが、
教会の廃墟が3箇所とルーン石碑がいくつか、それに小さな博物館があるだけで、
こじんまりしたただの田舎の町、というか村。
観光客が大挙して来そうなところではなく、
実際、(少なくとも見て判るような)外国人はまったく見なかった。
しかし、スウェーデン人らしき観光客はバスや車でけっこう来ていて、
町の中を歩き回っていた。
Maelaren湖に面していたり、
歩いて登れる小さな岩山があって町を見下ろせたりと、
週末をのんびり過ごすには良さそうなところなので、
陽気のいい季節にはけっこう近場の人たちで賑わうのかもしれない。
バス停の近くにはタウンホールがある。
スカンジナビアでもっとも小さい町役場だそうだ。
適当に歩いていたら、廃墟の側に出た。
たぶんこれがSt.Lars教会の跡。
このあたりにはルーン石碑もいくつかある。
地図を見ながらSt.Olof教会跡を目指す。こちらはSt.Larsよりわかりやすく、
道端に建っていた。すぐ側には墓地を挟んで、聖母マリア教会がある。
ここはSt.Larsより良く保存されていて、
内部も歩き回ることができる。
続いて聖マリア教会の方に向かったが、途中に建っていた建物をふと見ると、
こんなところにもルーン石碑が。
Sigtunaの教会のうち、St.Lars, St. Olof, St.Perは廃墟になっており、
今でも使われているのはこの聖マリア教会だけらしい。
教会の中。
古い教会をそのまま利用しているので、
新しい祭壇の脇に、やたらと古びた壁画があったりする。
教会の裏のほうにも、ルーン石碑が。
まだ廃墟が一つ残っているが、博物館が16:00で閉館なので、 先にそちらに向かう。 博物館といってもかなりこじんまりした建物で、 中も地方の郷土資料館のような作り。
ここにもルーン石碑がいくつか展示してある。
その奥には、ルーン文字を彫った骨や角、コインやその鋳型などが並んでいる。
あとは近くで発掘されたとおぼしき人骨や、石の彫刻の破片など。
すでに暗くなりかけていたので、急いでSt.Perの廃墟に向かう。
St.Olofほどではないが、ここもかなり形が残っている。
中にはなぜかルーン石碑がある。
そういえば、町の中を歩いているときはけっこう観光客がいたのだが、
廃墟ではほとんど人に会わなかった。
地元の人はあまり廃墟に興味がないのだろうか。
たんに寒いから敬遠しているだけかもしれないが。
昼食を食べ損ねたので、少し早めの夕食をとろうとレストランに入ったのだが、 メニューにスウェーデン語しか書いていない。 注文を取りにきた人に聞いたら、 料理名の下の説明書き部分を指して英語だと言い張っていたが、 英語のアルファベットは上に点やら丸やらついてないだろう。 しょうがないので適当に注文したら、 なぜかトーストに乗ったステーキが出てきた。 形状は予想外だったが、材料も味付けもこちらの守備範囲内で一安心。
17:35分のバスでSigunaを出発。 日が短くなっているためあたりはすでに真っ暗で、 バス停で待っていると寒くてしかたがない。
バスでMaersta駅まで行き、そこから郊外電車でストックホルムに向かい、 Soedertaeljeで下車。そこからKista駅までバスで戻る。
最終更新: 2004年 3月 11日 木曜日 19:16:06 JST
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