スウェーデン滞在日誌(10/20)



朝からストックホルム見物に出掛ける。

こんどはストックホルムカードを駆使するべく計画を立ててある。 10:00の開館と同時にストックホルムハウスでカードを購入。 そのまま旧市街ガムラスタン(Gamla Stan)に向かい、 王宮その他を回る計画。

何代目か知らないが王様の像 屋外ステージ

途中にわりと大きな広場があると思ったら、 王立公園(Kungstraedgaarden)という立派な公園らしい。 夏場は賑わうらしいが、今は大通りに比べると人もほとんどおらず、 寂しい場所になってしまっている。


コイン

王宮と付属施設はこの時期、12:00から15:00の短い時間しか開いていない。 とりあえず、 近くで唯一10:00開館の貨幣博物館(Kungliga Myntkabinette)に入る。

小さい博物館だろうと思ったが、 武器博物館と同様に3階建てで、世界中の貨幣やメダル、金庫などが展示してある。 ローマ時代に始まるヨーロッパ各国のコインや、 スウェーデンの歴代王が発行したコインなど、 予想以上にコレクションの規模が大きい。 日本関係だと、なぜか「見本」のパンチ穴入りの一万円札があったり、 (見本を入手するほうが難しい気が……) 軍関係のコーナーには旧日本軍がマレーシアで発行した軍票(?)があったり。

ガイドによると、 目玉展示は戦争の時代に作られた巨大金貨らしいのだが、 それが置いてあると思しき階はなぜか電気が消えていて見られなかった。


貴族の館

某歩き方の本によると、 貴族の館(Riddarhuset)は11:30からのガイドツアーで見学できるとなっていたが、 行ってみたら開館は平日のみ。しょうがないので建物の写真だけ撮ってくる。

RiddarholmsKyrkan

王宮が開くまで近くをうろつく。 橋の向こうに見えているリッダーホルム教会(Riddarholms kyrkan)は、 王家の菩提寺らしい。残念ながら10月以降は春まで閉館。

国会議事堂

王宮のすぐ側には、国会議事堂(Riksdagshuset)がある。

謎の作業車

王宮の側に停まっていた謎の車。砂利道の整備か掃除用か。


衛兵、交代に出発 衛兵、交代中

昼になったので王宮の入り口に移動したら、 ちょうど衛兵の交替の時間だったらしい。

脇の建物から兵士が出てきて、隊列を組んだり旗を振ったりしてから、 城の周りにある詰め所の衛兵と順に交替して回る。

写真に東洋人の頭が写っているが、 寒い時期で観光客が減っているとはいえ、さすがに日曜の王宮だけあって、 日本人や中国人(韓国人?)がけっこういた。

王宮(Kungsliga Slottet)の中は撮影不可なので、写真はなし。

晩餐会の間(Festvaaningen)と礼拝堂(Slottskyrkan)、 グスタフIII世のアンティーク博物館(GustafIII's Antikmuseum)は、 例によって冬は閉鎖。 見られたのは王宮の居住区やゲストハウス、 宝物の間(Skattkammaren)、国家の間(Rikssalen)。

昔のスウェーデンはけっこう攻めたり攻められたりしていたのに、 王宮の作りが城というよりは完全に宮殿で、篭城などできそうに見えない。 じつはかつての王城は火災で焼失し、 今の王宮はその後に(宮殿として)再建されたものらしい。 当時はかなりの大事件だったらしく、 城の売店には「お城が燃えてしまった」という (タイトルかどうかはスウェーデン語なので不明だが、 字面と表紙はそんな雰囲気の)子供向けの本まで売っていた。

ちなみにここの売店には、 騎士の人形や投石機、プラスチック製の剣といった玩具がたくさんある。 私が行ったときには、子供が投石機と戯れていた。

王宮の中にあるMuseum Tre Kronorというのは、 歩き方の本では「王宮博物館」になっている。 王宮の付属博物館かと思ったが、 実際には「旧王宮博物館」と言ったほうが正しい。 現王宮は旧王宮の上に建っているので、 現王宮の地下にあるMuseum Tre Kronorは、 この旧王宮の遺構と発掘品、火災を逃れた財宝などを展示している。 遺構のある区画はクロスボウやハルベルドなどの武器があるほかに、 ワイヤで編んだらしい人影が梯子に張り付いたり武器で戦ったりと、 当時の兵士の様子を再現している。 この人影、 部屋が薄暗いこともあってPlaystation用ゲーム「エコーナイト」の幽霊のようで、 なんとも不気味。


王宮に向かう鼓笛隊その1 王宮に向かう鼓笛隊その2

一通り見終わって外に出てくると、 通りを馬に先導された鼓笛隊と兵士が行進してきた。

衛兵交替式・音楽付

どうやら一番大規模な衛兵交替式というのがバンド演奏つきらしい。 地元の人は一緒に歌ったりして盛り上がっていた。 で、兵士が交替して部署につき、鼓笛隊は帰っていったのだが……。

バスで帰っていく鼓笛隊

帰りはバスかい。


昼をだいぶ過ぎていたので、近くのKaffe Gilletという店に入り、 初日の夜にTVディナーで食べた、伝統料理の肉団子を頼む。 ソースのかかった肉団子とマッシュポテトはいいとして、 一緒に皿に載ってきたジャムはどうすればよかったのだろう。

昼食後、王宮に戻って武儀博物館(Livrustkammaren)に入る。 ここには王室の武器関連の展示がある。

グスタフ=アドルフの乗馬

写真はグスタフ=アドルフ王が戦死したときに乗っていた馬の剥製。 側には、そのとき王がかぶっていたという穴の開いた帽子などもある。 ほかにも、グスタフIII世が仮装舞踏会で暗殺されたときの衣装があったり。 たしか北方戦争の時の国王も戦死していたはずだし、 なぜかこの国には早死にした王様が多い。 (後日注: 帽子は(北方戦争のときの)カール12世のものだったかもしれない。 後で検索したところ、カール12世は頭を狙撃されて死んだようだが、 グスタフ=アドルフの負傷個所はよくわからなかった。 馬の近くにあった血のついたコートは、 グスタフ=アドルフのものだと書いてあったと思う)。

ライオン

王宮で飼っていた(?)ライオンの剥製。王宮のシンボル的な扱いらしく、 売店には山のように可愛いぬいぐるみが。王室の威厳もへったくれもない。

プレートメイル 武具いろいろ

戦争を繰り返した国だけに、剣やら鎧やら武具てんこ盛り。

騎乗した騎士 なんか由来のよくわからない紋章

騎乗した騎士の全身鎧のような大物もあったのだが、 暗くてあまりうまく写真に撮れなかったのが残念。


王宮を出て、 中世ストックホルム博物館(Medaltidsmuseum)に向かう。 ここは市内で発掘された遺物などを展示している。 名前からして日本の地方博物館のような地味なものかと思ったが、 けっこう見ごたえがあった。

謎の石板 船の残骸

市内で発掘されたらしい石板と船。 船の右側に写っているのは、昔の防壁を再現したものらしい。

ボロボロの剣と人骨 「スターウォーズ」に出ていませんでしたか?

王宮の財宝と違って、武器も古くてボロボロなものがいくつか。 鎧の兜、前が良く見えないと思うんですが。

ルーン石碑その1 ルーン石碑その2

スウェーデンのあちこちにあるらしい、ルーン文字を彫った石碑。


王宮全景 ライオンの像

ガムラスタンに渡る橋の脇にはライオンの像があるが、 なぜか台座にエジプトの象形文字が彫ってある。

オペラ座 グスタフ=アドルフ王の像

オペラ座の前の広場には、グスタフ=アドルフ王の像が建っている。


最後に、この広場の近くにあるMedelhavsmuseet (なぜか歩き方本の地図から洩れている)に向かう。 ガイドの英文説明には地中海アンティーク博物館とあるが、 内容からすると地中海古代文明博物館というところか。

いまさら驚きはしないが、ここも予想以上に展示品が多い。 大物は少ないが、そのぶん小物が嫌というほど並べてある。

エジプトの神様大集合 ギリシャの像大集合

エジプトやギリシャの小像がずらりと並んでいるのはまあいいとして……。

キプロスの像大大集合

ここまで並べると、チョコエッグのコレクターかい、と突っ込みたくなる。 ちなみにこの区画のものは「Cypern」のものだと書いてあって、 いくら考えてもどこの地名か判らなかった。 あとで調べたら「キプロス」らしい。

ミイラ部屋

小物ばかりというわけでもなくて、エジプト関係の大展示室には、 立派なミイラの棺が飾られている。 ちなみに奥の蓋が斜めになった棺は、 (この写真では判らないが)中のミイラのご尊顔が拝めます(汗)。 僧侶Bakenrenだそうな。なんまんだぶ。

ネコのミイラ ワニのミイラ

ネコのミイラにワニのミイラ。

エジプト人はやたらとなんでもミイラにしたらしい。 ここにも「神聖な動物のミイラ(BC300-AD100)」という展示があって、 ある英語の説明板には、

  1. ネコ2体と頭部
  2. 魚3匹
  3. 魚用の木の棺(うち一つは鷹の頭付)
  4. ガゼル
  5. ワニ
  6. ヘビ

とある。魚のミイラって、ただの干物ではないかという気もするが…。

鳥のミイラ よくわからない動物のミイラ

左の鳥のミイラは、ぱっと見だとミイラだか保存食だか判らない。 右のトカゲのミイラらしきものは、漢方薬の材料のようだし。

そういえば、以前に日本であった大エジプト展では、 「ウナギのミイラ」なるおいしそうな代物を見たことがある。


ガイドブックでは船の観光ツアーが最終18:30となっていたのだが、 切符売り場に行ってみたらこの時期は昼間しかやっていなかった。 しょうがないので食事をして帰る。

夕食は、歩き方に載っていたKaallaren Dianaという店に行って、 トナカイのステーキというのを食べてみた。 味は牛肉をやわらかくしたような感じで、 牛ほどのうまみはないがさっぱりしていて食べやすい。 日本人にはわりと受けそうな気がする。 焼きすぎるとスカスカになって不味くなりそうだが。


ネコとかミイラとかのレプリカ

地中海古代文明博物館で見つけたレプリカの小物。 もっと気合の入った大物もあったが、ものすごく高かった。



最終更新: 2004年 3月 11日 木曜日 18:43:27 JST

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